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執務室の扉の向こう、廊下の方から不愉快な笑い声が響いたのを、耳が拾った気がする。サレナはペンを止め、顔を上げた。隣に立つ副官の引き攣った表情を見るに、どうやら空耳ではなかったらしい。署名を手早く終え、視線だけで促せば、副官は急ぎ書類を受け取ってサレナの元から離れていく。
高らかな靴音が、今はもうはっきりと聞き取れる哄笑を引きつれて、間もなく力任せに扉が開かれた。
「私が来ましたよ! サレナ!」
「……お帰りください」
サレナの冷え切った言葉を闖入者はまるきり無視し、まるで踊るような足取りで室内に踏み込んでくる。
「この私が、皇帝直属の魔導士ケフカ様が! 多忙の身であるにもかかわらず、わざわざあなたのために会いにきてさしあげたのですよ。ほら、感謝なさい!」
「ありがとうございます。ご用件は何でしょうか」
丁寧ではあれど抑揚のない物言いを貫いて、サレナは机上にある残りの書面に目を落とした。
「用がないのでしたら出ていってください。用があるのでしたら、一刻も早く済ませて出ていってください」
「あなたときたら、素直なのはいいことですが、せっかちですねえ」
形ばかりの謝辞にも気をよくしたのか、素っ気なくあしらわれても、ケフカは少しも機嫌を損ねた様子がない。それどころか、ますます調子づいている。
「では早く準備なさい。フィガロへ行きますよ!」
「……フィガロ?」
すべて聞き流すつもりでいたサレナは、思わずケフカを見上げた。
「ええ、そうです」
ケフカはにんまりとして相槌を打ち、サレナの執務机の上に座って足を組んだ。その弾みで書類の山が崩れたのもお構いなしである。サレナは冷ややかにケフカを睨めたが、その程度では、彼への牽制になろうはずがなかった。
「あの砂漠の、チンケな城にですよ。ガストラ様からそう仰せつかったのでね」
しかし、ガストラ皇帝が命じたのは、単なる外交官としての役割ではあるまい。この男に任せては、今のところ表面上の友好を保っている両国の関係がぶち壊しになるのは明白なのだから。
フィガロと言うと……レオ将軍が、サウスフィガロの有権者と内通を計る策を進めていたはずだ。それを活用する頃合いが来たということか。そこまで考えて、サレナは意識を目の前の男に戻した。
「ですが、わたしはそのような命を受けてはいません」
「私が行くのですから、あなたがついてくるのは当然でしょう」
足先を揺らし、額に垂れた一筋の前髪を指先で弄りながら、ケフカはぞんざいに言い放つ。
軍人ではない彼は、けれども魔導士として絶大な力を持ち、しばしば指揮官となって戦場に立った。軍の階級で言うと佐官に当たり、したがって形式的な地位はサレナと同等だ。
「わたしはあなたの部下ではありません。また、あなたには、わたしに命令を下す権限はありません」
そのことを指摘し、サレナは椅子から立ち上がった。
要は、道中の世話役を用意してやればいいわけだ。周りを見渡せば、サレナの部下たちは仕事を続けながらも、なるべく関わり合いになりたくないとの意思表示をするように顔を伏せたり目を逸らしたりしている。
ケフカに追従させるとなると、人選は難しかった。ケフカの顔色をうまく窺い、命令をそつなくこなすことができ、それでいて有能すぎてはいけない。多くの場合、彼の癇癪のために軍を――最悪の場合は、この世を――去ることになるからだ。
執務室の空気は重い。サレナの目に留まらないように、皆、必死に息を殺している。
「――どこを見ているんです」
ケフカの声が、これまでとは打って変わって、地を這うような低さに変わった。そして、それはすぐにヒステリックな色を帯び始めた。
「私を見なさい、私を! このケフカ様を!」
「供をお望みなのでしょう。尉官二名を随行させます」
サレナは取り合わず、ちらりとも振り返りはしなかった。痺れを切らしたように、ケフカが乱暴にサレナの腕を掴む。
「まったく、強情な女ですね!」
不安定な姿勢で座しているわりに、その手に込められた力は思いのほか強い。振り払おうとしても叶わず、代わりに机の上の小物が音を立てて転がり落ちていく。
「……手を離してください」
「うるさい! 俺様が来いと言ったら来るんだよ!」
激昂するケフカとは対照的に、サレナは静かに目線を動かした。
息がかかりそうなほどすぐ近くにある、白粉まみれの顔。道化師の化粧のために笑っているように見えて、その眼の奥でははっきりと激情が渦巻いている。……サレナの凍えるまなざしの前に晒されれば大抵の兵は震え上がるものだが、ケフカには効きそうにもない。
「わたしはあなたの私兵ではありません」
続くサレナの語調は、どこまでも平坦だった。
「わたしは軍人であり、陛下の兵です。どうか軍規に則っていただきますよう。命令であれば、お供いたします。フィガロであろうとナルシェであろうと――ケフカ、あなたの行く先どこへなりとも」
サレナがケフカに向き直ると、サレナを抑えつけていた手は存外すんなりと離れていった。
「……ふん! つまらん女だ!」
ケフカは尊大に鼻を鳴らして吐き捨て、それでもとりあえず矛を収めることにはしたらしく、来たときと同じく靴音を鳴らしながら出ていった。最後に扉を蹴りつけるというおまけ付きで。さらに、少し遅れていくつかの騒音や悲鳴が聞こえてきたのは、苛立ち任せに破壊行為にでも及んでいるのかもしれない。
開け放たれたままの扉をしばし眺めてから、サレナは副官を側に呼び付けた。
「フィガロ行きの件、兵の選考は任せます」
「は、了解しました」
「それと、その者には……」
言いかけて、サレナは思案する。
サレナの上官たち――レオ将軍やセリス将軍、さらに言うならガストラ皇帝――は、どうもサレナをケフカの凶行の抑止力になると思い込んでいる節があった。実際のところがどうあれ、少なくともあの男がサレナに絡んでいる間は、他へ被害が及ぶことはない。ケフカが言い出すまでもなく、サレナに命が下ることは十分に考えられる。
「サレナ大佐?」
続く指示を発しないサレナに、副官がおそるおそる声をかけてくる。
「フィガロへは、わたしも伴うことになるかもしれません。そのときは、遺書の用意は不要だと伝えておきなさい」
サレナは平然と言ってのけ、椅子にかけた。
嵐が通過した後のような机の上を簡単に片付けて、仕事の続きに取りかかろうとする。けれど、いつまで経っても部下の諾意の返事がない。訝って見やれば、副官は絶句したまま突っ立っている。
無言で眉を上げるサレナだったが、しかし今日の業務に差し障りがあっては困るな、と思い直した。この場を収めるためには仕方がない。
「……冗談です」
と、サレナは嘘をついた。
夜の海は黒々としていた。
波はとても静かで、ともすればそこにはただぽっかりと虚無が横たわっているのではないかとさえ思えてくる。海と同じく深い闇を湛えた空は、けれども星あかりを煌々と灯していて、暗闇の中であっても二つの境界ははっきりと区切られている。
「サレナ大佐」
背後から呼びかけられ、サレナは振り向いた。将軍のセリスが、甲板の上をこちらへと歩いてくるところだった。敬礼しようとしたサレナを、セリスは片手を挙げて止めた。
「大佐自ら立哨か?」
「はい、将軍。部下には子守を任せていますので」
サレナが答えると、何とも形容しがたい微妙な表情になるセリスだった。と言うのも、タイミングよく、奥の船室からの怒鳴り声が夜の静寂をぶち破ったせいだろう。
「その……大佐が来てくれて本当に助かっている。あなたがいると、彼も多少は大人しいのだ」
「お言葉、ありがたく存じます」
サレナは肯定も否定もせず、彼女の言をただ受け止めるにとどめた。
「今回は、無理を言ってすまなかった。代わりの兵を寄越すから、陸に着くまで、大佐は休んでいてくれ」
「お気遣いいただき感謝いたします。ですが、たまには星を見て夜を過ごすというのも、そう悪くはありません」
「大佐にそんな詩的な趣味があるとは知らなかった――ああ、いや、あなたを貶めているのではないのだが」
「はい。承知しております」
サレナのものの言い方は、相手に取りつく島を与えない。それきり、会話が途切れた。
しかし、いくら待てどもセリスはサレナの前から立ち去ろうとしない。それどころか、何度か躊躇うような素振りを見せた後で、おずおずとこう切り出してきた。
「……私も、ここにいて構わないだろうか?」
常ならぬ彼女のしおらしさは、サレナに何ら感慨をもたらさなかった。
セリスはサレナの上官であり、セリスがどんな行動を取ろうともサレナは口出しをするつもりはないし、またその権限もない。彼女がそう言うのであれば、サレナの応えはこうと決まっている。
「ご随意に」
「ありがとう、サレナ大佐」
セリスはちょっと微笑み、甲板の手すりに手を置いた。長い金髪が潮風になびく。暗闇の中であっても、それは僅かな星の光を集めて輝きをこぼしている。
束の間、二人の間には夜の海のような沈黙が満ちた。
「魔導の少女は――」
ぽつりとセリスが言った。
「あの少女は今、どうしているのだろうか」
「さあ……わたしには、わかりかねます」
サレナの味気ない相槌は、ともすれば不敬と取られてもおかしくはなかったが、セリスは咎めなかった。もとより、明確な解を求めるつもりもなかったのかもしれない。
意思を殺され、帝国に飼われていた魔導の少女。彼女は幻獣強奪の任を帯びナルシェへ向かったにもかかわらず、どういうわけか途中で任務を放棄し、フィガロへ逃げ込んでいる。ことの真偽は、これから確かめるのだ。
「南の大陸を制し、ナルシェを襲い、次はフィガロ……レオ将軍はすでにドマ侵攻に取りかかっている。弱者を虐げ、力を得ることは、本当に正しい行いなのだろうか……?」
「セリス将軍」
それは、いつも感情を押し殺して淡々と音を紡ぐサレナにしてみれば、幾分か力のこもった声だった。セリスがはっとしてサレナに目を向ける。
「お言葉ですが、我々の職務は善悪の判断を下すことではありません。最優先事項を遵守し、そのために必要とあらば他を切り捨てること。さらに付け加えるなら、そうあるべきと割り切る姿勢を貫くことです」
言いながら、セリスの表情に明らかな落胆の色がよぎるのを、サレナは冷静に観察していた。
そうやって明け透けに感情を露出していると、まるで年頃の少女のように見える――そう考えた後で、彼女が真実まだ少女と呼べる年齢であることを思い出す。
「では、大佐の言う優先すべきものとは、一体何だ?」
と、問うてきたセリスはすでに、実年齢よりも遥かに大人びた、帝国将軍としての体を取り戻していた。もっとも口にしているそれは、甚だそぐわない内容ではあった。下手を打てば軍法会議ものである。
「ガストラ様の、ひいては帝国繁栄のお役に立つことです」
「……その帝国が、あなたの故郷を滅ぼしたのだとしても?」
「はい、将軍」
サレナの受け答えには一切の逡巡がなかった。そこにはいっそ鋭ささえあり、問いを口にしたセリスの方が戸惑ったような、あるいは傷付いたようなまなざしをした。
「かつてわたしからすべてを奪い去ったのは確かにこの国ではありますが、何もかもを失ったわたしに生きる目的を与えてくださったのもまた、ガストラ様なのです」
サレナの出自について、口さがなく言う者も存在する。しかし、ガストラ皇帝は実力主義者であり、才さえあれば、祖国の在り方に煩悶するまだ年若い少女であろうと、人体実験の末に精神を病んだ魔導士であろうと、――己が攻め落とした亡国の民であろうと、要職につけることを厭わない。
「それは、しかし――」
セリスはなおも口を開いたが、その続きが語られることはなかった。船室を飛び出してきたケフカの癇癪に呑まれたからだった。
「つまらん、つまらん! つまらーん!」
「ケフカ様、お待ちを!」
サレナの部下が二人がかりで引き止めているものの、それでとどまるケフカではない。振り切り、すぐにサレナを見咎めて、大声で喚き散らしながらこちらへやって来る。
「どこで油を売っているのかと思ったら! サレナ!」
「油を売っているのではなく、立哨です」
「サレナ、あなたは何のためにここにいるのか、わかっているのですか?」
「あなたの補佐役を務めるためです、特使殿」
あしらいつつ、サレナは部下たちを見やった。サレナの言わんとするところに気付いた彼らは申し訳なさそうな表情を作るが、まあ、いつまでも任せておけると思っていたのでもない。この時間まで持っただけでも僥倖だろう。
「ええ、そのとおり、私の補佐をするのですよ。わかっているなら、仕事に戻りなさい!」
「ケフカ、大佐は……」
嫌みたらしく言い募るケフカを、セリスが押し止めようとした。当然それすらも効果のほどはなく、ケフカはにやにやしながらセリスの言葉に被せて喋り立てる。
「セリス将軍も、軽々しい真似は謹んでいただきたいものですねえ。許可なく私のものに手を出されては困りますよ。とは言え、私もさほど狭量ではありません、多少の浮気には目を瞑り――」
「黙りなさいケフカ」
サレナの視線と声音は、瞬時に氷点下にまで冷え込んだ。
セリスがぎょっとして――その原因がサレナの剣幕にあったのか、それともケフカの言い草にあったのかはわからない――二人の顔を見比べる。サレナとは反対に、ケフカのそれは昂揚の方向に跳ね上がった。
「黙れ? 黙れって?」
心理状態のみならず、体まで飛び跳ねている。幼児ならばともかく、三十路をとうに越した男がする振る舞いではなく、その場にいた皆がたじろいだ。
「おっかしいな~。サレナちゃんよりぼくちんの方がエライのに、命令されるなんて……シンジラレナーイ!」
「……申し訳ございません、ケフカ様。上官に対し、あるまじき暴言でした」
すぐさまサレナは謝罪した。
ひとつの作戦において、軍隊では上下関係を明確に定めることが求められる。つまるところ、今回の特務では、サレナはケフカの部下として遣わされたのだった。ケフカの上申がそのままとおった故か。あるいは、帝国出身で「こう」なるまでは非常に優秀だったらしいケフカと、生まれにいささか曇りがあり魔導の適性にも欠けるサレナとの差が、如実に表れた結果か。
「ふんっ、わかればいいんですよ、わかればね。では、職務を果たしてもらいましょうか」
ヒッヒッとひとしきり気味の悪い笑い声を上げると、ケフカは踵を返し、来た道を戻り始めた。ついて来いということらしい。これを口実にいびり倒してやろうという魂胆が見え透いているが、従わないわけにもいくまい。
「サレナ大……」
「将軍」
セリスが声をかけてきたのを、サレナは先回りをして遮った。
「先のお言葉は忘れます。あなたも、あまり口外なされますな」
この場で先刻の話を蒸し返すほど、分別がつかないではないだろう。セリスはまだ何か言いたげで、すっきり思い切れない表情ではあったものの、結局は「ケフカの言動があまりに目に余るようなら頼ってくれ」とだけ言い置いて、背を向けて去っていった。
次いで、サレナは己の部下に目をやった。
「あなたたちは立哨をなさい」
「はっ、一晩中でも見張っています!」
「明日は砂漠を縦断するのだということを、念頭に置くように……わたしは、そこまで言い含めなければなりませんか?」
敬礼する部下を冷ややかに一瞥し、返答を待つことまではせずに歩き出す。
少しも行かないうちに、背後で二人が囁き合う声がした。
「怖えーっ、ケフカの野郎もだが、大佐も十分――」
「おい馬鹿っ、聞こえるぞ」
丸聞こえである。
そこそこに優秀な人員を見繕わせたつもりだったのだが……さて、彼らの評価を下げるべきか、副官を選び直すべきか。部下の再配置について考えながらケフカの行った先へ向かうと、ケフカは船室の前で待ち構えていた。
「遅いですよ、サレナ! このケフカ様を待たせるとは、いいご身分じゃあありませんか」
「申し訳ございません、ケフカ様」
「いいから、さっさと入りなさい!」
顎先でドアを示すケフカ。
ドアマンの真似ごとをしろとでも言うのだろうか。ケフカのわがままは今に始まったことではなく、これは人の生死が関わらない分かわいいものではある。サレナは言われたとおりにドアを開け、船室に入った。
数歩進んだ先で突然、背中を突き飛ばされ――いや、蹴り飛ばされた。
倒れつつも腰の剣に手を伸ばして身体を捻ったところで、ケフカの靴裏が目に入り、そう悟る。蹴られた背中はともかく、倒れた先がちょうど寝台の上だったので大したダメージはないが……サレナが次の判断を下すより先に、肩を強く突かれた。肘で上体を支えていたのが、簡単に突き崩される。
仰向きに転がったサレナの喉を、ケフカの手が掴んだ。
サレナは鞘を払い、ケフカの頭を目がけ渾身の力を込め剣で薙いで――ハッと目を見開いた。鈍色の刃は、その剣身よりも遥かに青白い首筋に食い込む直前に、ぴたりと動きを止める。あえなく切断された彼の金色の髪が、幾本か宙を舞い、落ちていった。
船室に、静けさが戻ってきた。
サレナはケフカの首から剣を引かず、ケフカもサレナの首を絞める手に込めた力を緩めない。無駄にずるずると長いケフカの衣装の裾が、サレナの手足に纏わりついている。船室の明かりが今の応酬の余韻に揺れ、サレナの上でケフカの影が踊った。
しばしの間があり、先に口を開いたのはサレナの方だった。
「……なぜ、避けないのですか」
喉を圧迫されているために、問いかける声はひどくか細い。ケフカの魔法であれば、この刃を止めることなど造作もなかろうに……すると、サレナの頭上から、ヒ、ヒ、と引きつけじみた笑い声が降ってきた。
「なぜって? だってアナタ、今、私を殺すわけにはいかないでしょう?」
ケフカは化粧のためではなく、現実に顔を歪め、笑っている。その言葉には応えず、サレナは腕の力を抜いた。剥き出しの剣身が、その重みで寝具に沈む。
「手を離して、降りてください。これは、補佐官の務めるべき領分を越えていると判断します」
「……マア、いいでしょう」
あっけないほど簡単にケフカが引いたので、サレナは拍子抜けした気分になった。しかし、どういう気まぐれかはわからなくとも、不要にこの男の戯れに付き合うつもりはない。
深く息をすると軽い咳が出たが、喉が潰れてはいないようだ。身を起こして剣を鞘に納め、立ち上がる。
「ご用向きがないのでしたら、わたしは船室の外で待機させていただきますが?」
「好きになさい、サレナ」
憑き物が落ちたようなケフカである。
そう言うのであれば、好き好んで長居するべくもなかった。サレナは外へ足を向ける。
「ヒヒッ、サレナちゃんの夢が叶う日が楽しみだね……」
ケフカの薄気味悪い呟きを背に受けたサレナは、あらぬ方を向いて肩を揺らしている彼をちらと見ただけで、無言のままに船室を後にした。